特集 2025.06.24

プレートとは何?地震発生の仕組みをわかりやすく解説

プレートとは何?地震発生の仕組みをわかりやすく解説

私たちが暮らす日本は、世界でも有数の地震大国として知られています。その理由の一つが、「プレート」と呼ばれる地球の表面を覆う巨大な岩の板の存在です。地震の多くは、そのプレートの動きによって引き起こされており、地震の仕組みを理解するにはプレートについての知識が不可欠です。

今回の記事では、「プレートとは何か」「なぜ動くのか」といった基礎的な部分から、日本周辺に存在する主なプレートの特徴、さらには地震が発生するメカニズムなどを解説していきます。自然災害への理解を深め、日ごろの防災意識を高めるためにも、ぜひ最後までご覧ください。

プレートとは何?

冒頭でも触れた通り、「プレート」とは、地球の表面を覆う巨大な岩盤の板のことを指します。地球の表面は一枚岩ではなく、大きく分けると14~15枚のプレートによって構成されており、それぞれが年間数センチ〜十数センチの速さで常に動いています。

プレートは、海の下にある「海洋プレート」と、大陸を含む「大陸プレート」に分けられ、地震・火山・山脈形成など、地球の地質活動の主な要因になっています。

海洋プレート
主に海底に存在するプレートを指します。密度が高くて薄いのが特徴です。海洋プレートは主に玄武岩質の岩石で構成されており、厚さは5〜10km程度と大陸プレートに比べて薄いものの、非常に硬い構造です。地球内部から湧き出すマグマが冷えて固まることで、新しい海洋プレートが生まれ、時間とともに周囲へと拡がりながら移動していきます。

大陸プレート
主に大陸の陸地部分を含むプレートを指します。海洋プレートに比べて密度が低く、厚さは30〜100km程度と厚いのが特徴です。主に花崗岩質の軽い岩石から構成されており、地殻の下部にはマントルが接して複雑な構造を形成しています。大陸プレートは一度形成されると安定し、数十億年にわたって地球表面に存在し続けることもあります。

プレートが動く理由

プレートが動く最大の理由は、地球内部の熱エネルギーにあります。地球の中心に近づくほど温度は高くなり、その熱によってマントルと呼ばれる層では「対流」と呼ばれるゆっくりとした動きが生じています。そのマントルの対流運動がプレートの下から力を加えることで、地球表面を覆うプレートは常に少しずつ移動し続けているのです。

プレートの動くスピードは年間数センチ程度とわずかですが、数十年、数百年と長い時間をかけて大きな力を蓄えていきます。プレート同士が押し合う場所では、海溝や山脈が形成され、一方がもう一方の下に沈み込むことで地震が発生しやすくなります。

また、プレートが引き離される場所では地殻が割れて新たな地形が生まれ、すれ違うように横方向にずれる場所では断層が形成されます。このように、プレートの動きは地球全体の地形や地震、火山活動などに深く関係しており、地球が「生きている惑星」であることを示す現象といえます。

日本にあるプレート

日本にあるプレート

日本にあるプレート「北米プレート」「太平洋プレート」「フィリピン海プレート」「ユーラシアプレート」の詳細を解説します。

北米プレート

北アメリカ大陸のほぼ全域から、日本の東北地方・北海道に至るまでをカバーする広大な大陸プレートが北米プレートです。西側はユーラシアプレート、東側は太平洋プレートと接しており、日本列島では北海道・東北・関東地方の一部(関東地方は複数のプレートが複雑に交差しています)がこのプレート上に位置しています。この地域では、太平洋プレートが西に移動し、北米プレートの下に沈み込んでおり、その接点には強いひずみが長年かけて蓄積されます。

2011年の東日本大震災は、まさにそのプレート境界で起きた海溝型地震の一例であり、プレートの動きが引き金となって膨大なエネルギーが解放され、津波を含む甚大な被害をもたらしました。また、プレートの沈み込みに伴って地下の高圧・高温環境が形成され、地殻が部分的に溶融し、火山活動を誘発する要因ともなります。日本列島における火山の分布や活発な地殻変動の背景にも、北米プレートの存在が深く関わっているのです。

太平洋プレート

地球上で最も広い面積の海洋プレートで、太平洋のほとんどを覆っています。海底に広がるこの巨大なプレートは、中央海嶺と呼ばれる海底山脈で生まれ、そこから少しずつ広がり、日本列島の東側、東北地方や関東地方の沖合から西へと移動しています。そしてその過程で、北米プレートやフィリピン海プレートの下に沈み込んでいます。

太平洋プレートの動きは、日本に影響を及ぼすだけでなく、アジア、オセアニア、アメリカ大陸西海岸にいたるまで、地球規模での地震活動や火山活動に関係しています。例えば、アリューシャン列島やカリフォルニア沿岸、ニュージーランド沖の地震帯も、太平洋プレートの縁にあたる地域であり、「環太平洋火山帯(リング・オブ・ファイア)」という名の通り、活発な地殻変動が集中しています。

フィリピン海プレート

フィリピン諸島から日本の南に広がる海域を覆う海洋プレートで、北西方向へと移動しています。このプレートは、日本列島の南側でユーラシアプレートや北米プレートの下に沈み込んでおり、その境界では大きなひずみが蓄積されることから、地震や火山活動が活発な領域となっています。

特に今注目されているのが、南海トラフ沿いでのプレートの沈み込みによって発生する巨大地震です。南海トラフ地震は過去にも繰り返し発生しており、現在も30年以内に高い確率で発生すると予測されています。広範囲に強い揺れと津波を引き起こす可能性があり、日本の防災上の大きな課題となっています。

また、伊豆・小笠原諸島周辺では、フィリピン海プレートが北米プレートと接しており、複雑な地殻変動と地震活動が見られます。さらに、プレートが沈み込むことで生じるマグマの生成は、伊豆半島や九州南部における火山活動にも影響を与えています。

ユーラシアプレート

ヨーロッパからアジア大陸の大部分を覆う広大な大陸プレートで、日本列島では中部地方から西日本、四国、九州地方がこのプレート上にあります。先ほど説明した南側から北西方向に移動してくるフィリピン海プレートの沈み込みによる地震以外にも、ユーラシアプレートの内部にも多数の活断層が存在し、それによって起こる内陸直下型地震も重大な脅威です。

例えば1995年の阪神・淡路大震災や2016年の熊本地震は、いずれもユーラシアプレート内の活断層が原因で発生したものであり、都市部での被害が甚大となりました。それらの地震は海溝型地震とは異なり、震源が浅いために揺れが強く、被害がより局地的・直接的になる傾向があります。

ユーラシアプレートは外部との境界だけでなく、内部にも多くの地震リスクを抱える複雑な構造です。

世界のプレート

南アメリカプレート
南アメリカ大陸を覆う大陸プレート。西側ではナスカプレートの沈み込みによって、アンデス山脈が形成されました。

ココスプレート
中米の西に位置する小規模な海洋プレート。メキシコ周辺での地震の原因。北米プレートとの境界で活発な地震活動があります。

ナスカプレート
南アメリカ大陸の西沖に広がる海洋プレート。プレートが南米大陸の下に沈み込むことで、大規模地震や火山活動を引き起こしています。

カリブプレート
中米とカリブ海諸島を含む小型のプレート。ハイチやジャマイカなどで起きる地震の震源域で、変動帯として注目されています。

アフリカプレート
アフリカ大陸と周辺の大西洋・インド洋の海底を含む大陸プレート。プレートの東部では分裂が進み「アフリカ大地溝帯」が形成されつつあります。

南極プレート
南極大陸とその周辺の海域を含むプレート。活動は比較的穏やかですが、境界部では火山活動や海嶺での変動が見られます。

アラビアプレート
アラビア半島を覆うプレート。北ではユーラシアプレートとの衝突により、イランやトルコ周辺で地震が頻発しています。

インドプレート
インド亜大陸を含み、北方でユーラシアプレートに衝突。ヒマラヤ山脈の隆起や大規模地震の要因となっています。

オーストラリアプレート
オーストラリア大陸とその周辺の海洋域を含み、活発な地震帯と接しており、インドネシアやパプアニューギニア付近の地震発生の要因になっています。

スコシアプレート
南アメリカ大陸南端と南極の間に位置する小型プレート。変動が複雑で、火山活動やプレート境界の変形が見られます。

ファンデフカプレート
カナダ・アメリカ西岸沖にある海洋プレート。北米プレートの下に沈み込み、カスケード地震帯の要因になっています。


地震発生の仕組み

地震発生の仕組み

ここでは改めて、地震発生の仕組みを詳しく解説します。地震は大きく分けて「プレート境界地震」と「プレート内地震」の2種類に分類され、それぞれ発生場所やメカニズム、特徴が異なります。

プレート境界地震

複数のプレートが接する境界付近で発生する地震のことを指します。境界には、押し合う・沈み込む・横にずれるといった動きが生じており、それぞれの力関係によって異なるタイプの地震が発生します。特に「沈み込み帯」と呼ばれる場所では、海洋プレートが他方のプレートの下に沈み込む過程で巨大なひずみが発生し、それが解放されると大規模な地震につながります。

プレート境界地震は主に「海溝型地震」に分類され、震源が比較的深く、マグニチュードも大きくなる傾向があります。そうした地震では、地震動そのものに加えて津波が発生するケースも多く、二次災害としての被害も深刻になります。過去には南海地震、十勝沖地震、東日本大震災など、津波による被害が極めて甚大だった例が多数存在しています。それらの事例では、揺れそのものよりも後から襲ってくる津波のほうが人的・物的被害を大きくしたことが分かっています。

また、プレート境界ではマグマ活動も活発になりやすく、地震の発生と連動して火山の噴火が誘発されるケースもあります。地震と火山が密接に関係している日本では、重要な研究テーマとなっています。

なお、プレート境界地震は周期性があることで知られています。例えば、南海トラフ巨大地震は100〜150年ごとの間隔で発生してきたとされ、過去の地震記録や地質調査の結果から、次の発生が近づいていると指摘されているのです。

【過去に発生したプレート境界地震】
1923年 関東大震災
フィリピン海プレート沈み込み、東京・横浜を中心に関東一帯で甚大な被害、死者10万人以上。

1944年 昭和東南海地震
フィリピン海プレート沈み込み、東海地方中心に津波被害、死者1,200人以上。

1946年 昭和南海地震
フィリピン海プレート沈み込み、近畿・四国沿岸に津波被害、死者1,300人以上。

2003年 十勝沖地震
太平洋プレート沈み込み、北海道東部で強震と津波発生、経済被害大。

2011年 東北地方太平洋沖地震
太平洋プレート沈み込み、東日本大震災、死者・行方不明者2万人超。

プレート内地震

プレートの境界ではなく、その内部で発生する地震のことを指します。地震というとプレート同士がぶつかる境界で起きるイメージが強いですが、実際にはプレートの内部にも大きな力が加わっており、それが限界に達すると地震が発生します。そうしたプレート内地震には、陸のプレートの内部で発生する「内陸直下型地震」と、沈み込んだ海洋プレートの深部で発生する「深発地震(しんぱつじしん)」の2つが主に存在します。

内陸直下型地震
比較的浅い場所(深さ数km〜数十km)で発生し、震源に近い都市部では非常に強い揺れをもたらすのが特徴です。例えば、阪神・淡路大震災や熊本地震はいずれもプレート内の活断層が動いたことによる地震で、多くの建物が倒壊し、大きな人的被害が生じました。このタイプの地震はプレート境界地震と比べ、発生場所の特定が難しく予測が困難で、深刻な被害が発生することが多いのが特徴です。

深発地震
沈み込んだ海洋プレートの内部で発生します。例えば、太平洋プレートが日本列島の下に沈み込む過程で、その内部に蓄積されたひずみが原因で起こる地震などです。震源の深さは100km〜670km程度におよぶこともあり、地表からの距離が遠いため揺れのエネルギーが広範囲に伝わるのが特徴です。ただし、深い分だけ揺れの強さはやや抑えられ、津波の危険性も比較的低くなります。

プレート内地震は、プレート境界地震と異なり、発生場所や規模が非常に多様です。日本列島は複数のプレートが重なり合う複雑な地質構造の上にあるため、全国の至るところでプレート内地震が発生するリスクがあります。特に都市直下型の地震は、備えを怠ると大きな被害をもたらすリスクがあるため、個人・家庭でも防災意識を高めておくことが重要です。

【過去に発生したプレート内地震】
1891年 濃尾地震
活断層型の内陸直下地震、岐阜・愛知県を中心に被害が発生し、死者7,000人以上。

1943年 鳥取地震
鳥取県中部の断層で発生、死者1,000人以上。

1995年 阪神・淡路大震災
活断層で発生した内陸型、死者6,000人以上で、都市直下型地震の代表例。

2004年 新潟県中越地震
中山間地を震源とした内陸直下型地震、死者68人。

2008年 岩手・宮城内陸地震
山間部の地震、強い揺れと大規模な土砂災害が発生。

2016年 熊本地震
活断層が連動して発生したプレート内直下型、家屋倒壊多数。

2021年 福島県沖地震
太平洋プレートの内部深部で発生した深発地震。

地震に対する備え

地震に対する備え

地震に備えるうえで大切なのが、「自助」「共助」「公助」という三つの考え方です。まず「自助」は、家具の転倒防止や非常食の備蓄、家族での避難計画の共有など、自分や家族の命を守るために個人で行う対策を指します。

「共助」は、地域の住民同士が声をかけ合い、助け合うこと。被災時に救助が間に合わないケースも多いため、隣人との連携が命を救う場面も少なくありません。そして「公助」は、行政や消防・自衛隊などによる支援ですが、発災直後は手が回らないこともあるため、自助・共助を基本に備える意識が重要です。

地震とプレートの関係について

地震は、プレートの動きによって引き起こされる自然現象であり、日本のように複数のプレートが交差する地域では特にリスクが高まります。プレートの種類や動き、地震発生の仕組みを理解することは、防災意識を高め、備えを充実させるための第一歩です。

ぜひ今回紹介した情報を参考にし、地震に対する備えを進めていきましょう。

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