耐震・制震・免震 2026.05.22

地震に弱い家の特徴9つ!対策についても詳しく解説

地震に弱い家の特徴9つ!対策についても詳しく解説

日本は世界有数の地震大国であり、いつどこで大きな地震が発生してもおかしくない

環境で私たちは暮らしています。そのような状況のなかで「自宅は地震に耐えられるのか」と不安を感じている方も多いのではないでしょうか。

今回の記事では、地震に弱い家の特徴や住むリスク、適切な対策などを解説します。ご自宅の耐震性を見直すきっかけとしてぜひ参考にしてください。

地震に弱い家に住むリスク

地震に弱い家に住み続けることには、様々なリスクが伴います。事前にリスクを正しく把握しておくことも、適切な対策を講じるうえで重要です。

倒壊・損壊による人的被害

最も深刻なリスクが、地震による家屋の倒壊や損壊です。耐震性の低い住宅は大きな揺れに耐えられず、倒壊することで居住者が下敷きになるなど、生命に直接関わる被害につながる可能性があります。特に就寝中に地震が発生した場合、逃げる間もなく被害を受けるリスクが高まるため、耐震性の確保は最優先事項といえます。

過去の大規模地震においても、倒壊した住宅による圧死が多くの犠牲者を生んでいることからも、住宅の耐震性がいかに重要かがわかります。

二次災害のリスク

建物の損壊により家具の転倒やガラスの飛散が起こりやすくなるほか、電気系統のショートや火災発生のリスクも高まります。地震そのものの揺れだけでなく、倒壊後に発生する二次災害による被害も考慮する必要があります。

特に密集した住宅地では火災が周囲に延焼するリスクもあるため、建物の耐震性を高めることは自宅だけでなく地域全体の安全にもつながります。

生活再建の長期化

地震で住宅が大きく損壊した場合、修繕や建て替えに長期間を要することがあります。仮設住宅や賃貸住宅への移転を余儀なくされるケースもあり、日常生活の復旧に多大な時間とコストがかかる点も見逃せないリスクです。

精神的なストレスや経済的な負担も大きく、家族全員の生活に長期的な影響を及ぼす可能性があるため、事前の対策が何よりも重要です。

資産価値の低下

耐震性の低い住宅は地震被害を受けた際に修繕費用が膨大になるケースがあるほか、売却時の資産価値にも影響します。耐震基準を満たしていない住宅は買い手がつきにくく、将来的な資産価値の低下につながる可能性があります。

近年は不動産取引において耐震性能が重視される傾向が強まっており、耐震等級の高い住宅ほど資産価値を維持しやすいといえます。

地震に弱い家の特徴9つ

地震に弱い家の特徴9つ

ここからは、地震に弱い家の特徴を解説します。ご自宅に当てはまる項目がないかを確認しながらお読みください。

【地震に弱い家の特徴】

①耐震等級が低い
②老朽化した木造住宅
③建物の形が複雑
④耐力壁・柱の配置が偏っている
⑤1階が弱い構造
⑥地盤が弱い土地に建っている
⑦基礎の構造・施工が不十分
⑧重い屋根や外壁を使用している
⑨リフォームや増築でバランスが崩れている 

①耐震等級が低い

耐震等級とは、建物の地震に対する強度を示す指標で、等級1から3の3段階に分類されています。等級1は建築基準法で定められた最低限の耐震性能を示しており、等級が上がるほど耐震性能が高くなります。等級1の住宅は数百年に一度発生する大規模地震でも倒壊しない水準とされていますが、繰り返しの揺れや想定を超える地震に対しては十分でない場合もあります。

等級2は等級1の1.25倍、等級3は1.5倍の耐震性能で、学校や病院などの公共施設には等級2以上が求められています。耐震等級が低い住宅は地震発生時のリスクが相対的に高くなる点に注意が必要です。耐震等級が不明な場合は、専門家による耐震診断を受けることで現状を把握することができます。

②老朽化した木造住宅

木造住宅は日本で最も普及している建築構造ですが、築年数の経過とともに耐震性が低下しやすい点に注意が必要です。特に1981年以前に建てられた住宅は、現行の耐震基準(新耐震基準)が適用される前の「旧耐震基準」で建てられているケースが多く、現在の基準と比べて耐震性能が不十分である可能性があります。

また、木材は経年劣化により腐朽や虫害が進みやすく、柱や梁などの構造部材が傷むことで建物全体の強度が低下します。外見上は問題がないように見えても、内部の構造材が劣化しているケースもあるため、定期的な点検が重要です。雨漏りや湿気による木材の腐食、シロアリ被害なども耐震性低下の大きな原因となります。

③建物の形が複雑

建物の形状は耐震性に大きく影響します。シンプルな四角形の建物と比べて、L字型やT字型、コの字型など複雑な形状の建物は地震の揺れに対して弱くなりやすい傾向があります。複雑な形状の建物は、地震の揺れが建物全体に均等に伝わりにくく、形状の変化する部分や接合部に応力が集中しやすいため、そこから損傷が生じるリスクが高まります。

また、建物に凹凸が多かったり、一部だけ突き出た形状になっていたりする場合も同様に、特定の箇所に負荷が集中しやすくなります。さらに、平面的な形状だけでなく立面的なバランスも重要で、上階と下階でフロアの面積が大きく異なる場合や、吹き抜けが多い構造も耐震性に影響を与える可能性があります。

④耐力壁・柱の配置が偏っている

耐力壁とは、地震や台風などの水平方向の力に抵抗するために設けられた壁のことです。耐力壁や柱が建物全体にバランスよく配置されていることが、地震時の安定した挙動につながります。一方、耐力壁や柱の配置が建物の一方に偏っている場合、地震の揺れによって建物がねじれるように変形しやすくなり、特定の箇所に過大な力が集中して損傷が生じるリスクが高まります。

間取りの都合上、大きな開口部や広いリビングを設けるために耐力壁が少ない面が生じるケースもありますが、そうした設計上の偏りが耐震性の低下につながることがあります。また、1階と2階で耐力壁の位置が大きくずれている場合も、上下階の力の伝達がスムーズにいかず、接合部に負荷が集中しやすくなります。

⑤1階が弱い構造

1階部分の構造的な弱さは、地震による建物倒壊の大きな原因のひとつです。特に「ピロティ構造」と呼ばれる1階部分を柱のみで支え、壁を極力設けない構造の建物は、地震時に1階だけが大きく変形・倒壊する「層崩壊」が起こりやすいとされています。1階に駐車スペースや店舗を設けるために壁を少なくした住宅も同様のリスクを抱えています。

また、1階に大きな開口部(窓や出入り口)が多い場合や、1階と2階で耐力壁の量に大きな差がある場合も、1階への力の集中が生じやすくなります。2階や3階と比べて1階の耐力壁が著しく少ない建物は、地震の揺れによって1階が先に崩壊するリスクが高く、居住者の安全を脅かす可能性があります。

⑥地盤が弱い土地に建っている

建物の耐震性を考えるうえで、地盤の強さは建物の構造と同様に重要な要素です。どれだけ耐震性能の高い建物を建てても、地盤が弱ければ地震時に建物が傾いたり、沈下したりするリスクがあります。地盤が弱い土地では地震の揺れが増幅されやすく、同じ規模の地震でも強固な地盤の土地と比べて建物への影響が大きくなる傾向があります。

特に注意が必要なのが「液状化現象」です。砂質地盤や埋立地などでは、大きな地震の揺れによって地盤が液体のような状態になり、建物が傾いたり沈んだりする液状化が発生するリスクがあります。また、河川沿いや海沿いの低地、谷を埋め立てた造成地なども地盤が軟弱なケースが多く、地震時の被害が大きくなりやすい土地として知られています。

⑦基礎の構造・施工が不十分

基礎は建物と地盤をつなぐ重要な構造部分であり、地震時に建物全体を支える役割を担っています。基礎の構造や施工が不十分な場合、地震の揺れによって基礎にひび割れや破損が生じ、建物全体の耐震性に深刻な影響を与える可能性があります。

基礎の種類には、地盤全体をコンクリートで覆う「ベタ基礎」と、建物の外周や主要な壁の下にのみコンクリートを打つ「布基礎」があります。一般的にベタ基礎のほうが地盤への荷重分散に優れており、不同沈下や液状化に対する抵抗力が高いとされています。一方、布基礎は施工コストを抑えられる反面、地盤が軟弱な場所では基礎の一部が沈下するリスクがある点に注意が必要です。

また、施工時の品質管理が不十分な場合も耐震性に影響します。コンクリートの配合や養生が適切に行われていなかったり、鉄筋の配置が設計通りでなかったりすると、基礎本来の強度が発揮されないことがあります。

⑧重い屋根や外壁を使用している

建物の重量は耐震性に直接影響を与える重要な要素です。屋根や外壁が重いほど地震時に建物に加わる慣性力が大きくなり、柱や壁などの構造部材への負担が増大します。特に重心が高い位置にある屋根が重い場合は、地震の揺れによって建物が大きく揺れやすくなり、倒壊リスクが高まる傾向があります。

日本の伝統的な建築に多く見られる瓦屋根は、軽量な金属屋根やスレート屋根と比べて重量が大きく、地震時に建物全体への負荷が増加しやすい点に注意が必要です。特に旧来の土葺き工法で施工された瓦屋根は現代の引っ掛け工法と比べて重量が増すため、耐震性への影響がより大きくなります。

外壁についても同様で、重い素材を使用した外壁は、軽量サイディングと比べて建物全体の重量を増加させます。建物が重くなるほど地震時に必要な耐力壁の量も増えるため、重い屋根や外壁を使用している場合は構造全体のバランスを考慮した設計・補強が必要です。

⑨リフォームや増築でバランスが崩れている 

リフォームや増築は住まいをより快適にするための手段ですが、耐震性への影響を十分に考慮せずに行うと、建物全体のバランスが崩れて地震に弱い構造になってしまうことがあります。

例えば、間取り変更のために耐力壁を撤去したり、開口部を拡大したりすると、建物全体の耐力バランスが崩れて耐震性が大幅に低下する可能性があります。また、1階部分に増築を行った場合、もともとの建物と増築部分で構造や基礎の仕様が異なることで、地震時に接合部分に応力が集中しやすくなるリスクがあります。

さらに、2階や屋上への増築によって建物全体の重量が増加した場合も、もともとの構造計算では想定していない荷重が加わることになり、耐震性に悪影響を及ぼす可能性があります。増築後に耐力壁の量や配置バランスが変化することで、ねじれや層崩壊のリスクが高まることも少なくありません。

地震に弱い家にしないためには?

地震に弱い家にしないためには?

地震に弱い家の特徴を踏まえたうえで、ここからは地震に強い家を実現するための具体的な方法を解説します。

家を建てる場合

新築で家を建てる際には、設計段階から耐震性を意識した計画を立てることが重要です。

耐震等級2以上を目指す
建築基準法で定められた最低基準である耐震等級1では、大規模地震への備えとして十分でない場合があります。新築住宅を建てる際は耐震等級2以上、可能であれば最高等級である等級3を目指すことをおすすめします。耐震等級が高いほど地震保険の割引率も大きくなるため、長期的なコスト面でも優位性があります。

地盤調査の結果をもとに判断する
前述のとおり、建物の耐震性は地盤の強さに大きく左右されます。地盤が弱い場合は地盤改良工事を行うことで、建物全体の耐震性を高めることができます。地盤調査の結果をもとに適切な基礎工法を選定することも、長期的な建物の安定性を確保するうえで欠かせません。

シンプルな形状・バランスのよい設計にする
建物の形状はできる限りシンプルな四角形に近い形を選び、耐力壁や柱が偏らないようにバランスよく配置することが大切です。設計士や構造専門家と十分に連携しながら、構造計算に基づいた安全性の高い設計を行いましょう。平面・立面ともにバランスが取れた設計にすることで、地震時のねじれや層崩壊のリスクを効果的に低減することができます。

信頼できる施工業者に依頼する
どれだけ優れた設計であっても、施工品質が低ければ耐震性は確保できません。施工実績や品質管理体制を確認したうえで、信頼できる施工業者を選ぶことが建物の耐震性を左右する重要なポイントです。第三者機関による施工検査や住宅性能評価を活用することで、施工品質をより客観的に確認できる環境を整えることもおすすめです。

住んでいる家を改善する場合

すでに建てられた住宅の耐震性を高めるためには、耐震診断を受けたうえで適切な補強工事を実施することが基本的なアプローチとなります。

耐震診断を受ける
まずは専門家による耐震診断を受けて、現状の耐震性能を正確に把握することが大切です。耐震診断では建物の構造や劣化状況、耐力壁の配置バランスなどを総合的に評価し、補強が必要な箇所を特定することができます。自治体によっては耐震診断に対する補助金制度を設けているケースもあるため、事前に確認しておくとよいでしょう。

耐震補強工事を実施する
耐震診断の結果をもとに、必要な耐震補強工事を実施します。耐力壁の追加・補強、柱や梁の接合部の強化、基礎の補強などが代表的な工事内容として挙げられます。補強工事は建物全体のバランスを考慮したうえで計画することが重要で、部分的な補強だけでは効果が限定的になる場合もあるため、専門家と十分に相談しながら進めることをおすすめします。

屋根の軽量化を検討する
重い瓦屋根を軽量な金属屋根やスレート屋根に葺き替えることで、建物全体の重量を軽減し耐震性の向上につながります。大規模なリフォームを行わなくても屋根の軽量化だけで一定の耐震効果が期待できるため、比較的取り組みやすい対策のひとつです。

家具の固定・室内の安全対策を行う
耐震補強工事と合わせて、室内の安全対策も重要です。大型家具や家電の転倒防止固定、ガラスへの飛散防止フィルムの貼付、避難経路の確保など、地震発生時の二次被害を防ぐための対策を日頃から講じておくことが大切です。

「地震に弱い家」にしないために

「地震に弱い家」にしないために

今回は「地震に弱い家」をテーマに、その特徴や具体的な対策などを解説しました。地震に弱い家には、老朽化、地盤の問題など様々な特徴があります。ご自宅に当てはまる項目がある場合は、耐震診断や補強工事を検討するとともに、日頃からの室内安全対策も合わせて取り組むことが大切です。

なお、地震対策をお考えの場合には、アイディールブレーンの製品をぜひご活用ください。家具や家電の転倒を防ぐ「ガムロック」をはじめ、住宅向けの制震ダンパー「制震テープ」「ミューダム」「ディーエスダンパー」など、家庭で導入しやすい地震対策製品を幅広く提供しています。

ご自宅の安全性を高めたい場合には、ぜひご確認ください。

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