2025.09.02
震度とマグニチュードの違いをわかりやすく解説!両方必要な理由も
自然災害の中でも特に身近で大きな影響を及ぼすのが地震です。ニュースや速報で耳にする「震度」や「マグニチュード」という言葉は、多くの人が一度は聞いたことがあるでしょう。しかし、似たように使われることが多いため、両者の違いや意味をしっかり理解している人は意外と少ないかもしれません。
正しい知識を得ることで、防災意識が高まり、いざという時の冷静な判断にもつながります。今回の記事では、「震度とマグニチュードの違い」をテーマに、それぞれの基礎知識や、両方必要な理由なども解説します。
両者の違いについて知りたい方や、防災意識を高めたい方はぜひ参考にしてください。
震度とマグニチュードの違い
それでは早速、震度とマグニチュードの違いを解説していきます。
震度とは?

地震の「震度」の意味・定義、算出方法は以下の通りです。
意味・定義
地震が発生した際に「その場所で、人がどの程度揺れを感じるか」「その場所で、建物や地盤がどれほど揺れるか」といったように、その場所での揺れの強さを表す指標です。「東京で震度7,千葉で震度6」というように、常に震度は場所とセットで表現されます。日本においては気象庁が定める「震度階級」が広く用いられており、震度は0~7の範囲にあり、5~6はさらに弱と強に分けられています。震度0は人がほとんど揺れを感じない状態、震度7は建物の倒壊や大規模な地盤の崩壊が発生するほどの非常に激しい揺れを意味します。
震度は「地震そのものの規模」を示すマグニチュードとは異なり、観測地点ごとの揺れの強さを表すものであり、同じ地震でも震源からの距離や地盤の状態によって値が変わるのが特徴です。
例えば、震源に近い地域では震度6強を観測しても、数百キロ離れた場所では震度1程度しか感じないことがあります。このように震度は人々の体感や生活への影響と直結するため、防災や避難行動の判断において重要な指標として位置づけられています。
【震度階級】
震度0
人は揺れを感じませんが、地震計には記録されます。生活上の影響は基本的にありません。
震度1
静かにしている人の一部がわずかに揺れを感じます。屋内外ともに目立つ影響はありません。
震度2
室内で静かにしている人の多くが揺れを感じ、眠っている人が目を覚ますこともあります。照明など吊り下げ物がわずかに揺れます。
震度3
屋内のほとんどの人が揺れを感じ、歩いている人でも気づくことがあります。棚の食器が音を立て、電線が揺れることがあります。
震度4
多くの人が驚き、歩いている人も揺れを感じます。吊り下げ物が大きく揺れ、置物が倒れることがあります。外では電線が大きく揺れ、運転中に気づく人もいます。
震度5弱
大半の人が恐怖を感じ、何かにつかまりたいと思います。食器や本が落ち、固定されていない家具が移動・転倒することがあります。屋外では電柱やガラスが影響を受け、道路に被害が出ることもあります。
震度5強
多くの人が立って歩くのが難しくなります。テレビや家具が倒れることがあり、屋外ではブロック塀や自動販売機が倒壊する可能性があります。運転は困難で、車が停止することもあります。
震度6弱
立っていることが困難になります。固定していない家具が大半倒れ、ドアが開かなくなる場合があります。屋外ではガラスや壁が破損し落下する危険があります。
震度6強
立っていられず、這うか動けない状態になります。家具の多くが倒れ、屋外ではブロック塀の倒壊や建物の被害が甚大になります。
震度7
人は揺れに翻弄され、動けず飛ばされることもあります。家具はほとんど倒れ、建物のタイルやガラスは大きく破損。耐震性の高い建物でも大きな被害が生じることがあります。
参考:気象庁震度階級関連解説表
算出方法
震度はかつて、人の体感や家具の転倒状況などを基準にした経験的な評価で算出されていました。しかし現在は、気象庁が全国に設置している「震度計」による観測データを基に算出されています。震度計は地震動の加速度をリアルタイムに測定し、特に「最大加速度」「継続時間」「周波数成分」などの要素を組み合わせて演算します。
その結果を数値化し、気象庁の定める震度階級に当てはめて発表されます。観測網は全国に約6000か所あり、震源地に近い地域や都市部を中心に密に設置されているため、局所的な揺れの違いも詳細に把握できます。 また、算出にあたっては単に加速度の大きさだけでなく、人間の感覚に近づけるための補正が行われています。そのように科学的データと人間の感覚を組み合わせた仕組みにより、震度は「生活に直結する揺れの強さ」が的確に表現されます。
参考:計測震度の算出方法
マグニチュードとは?

地震の「マグニチュード」の意味・定義、算出方法は以下の通りです。
意味・定義
地震の「エネルギーの大きさ」を数値化した指標です。震度が各地での揺れの強さを示すのに対し、マグニチュードは地震の規模そのものを表すため、世界中どこでも共通して使われているのが特徴です。数値が1大きくなるごとに放出されるエネルギーは約32倍に増加し、2大きくなるとおよそ1000倍になります。例えばマグニチュード7.3の兵庫県南部地震とマグニチュード9.0の東北地方太平洋沖地震では、マグニチュードの差は僅か1.7ですが放出するエネルギー量としては321.7およそ362倍違うのです。
つまり、マグニチュードは「地震全体の規模」を比較する上で不可欠な指標であり、小規模でも浅い場所で起きれば大きな揺れとなり、逆に大規模でも深い場所では地表への影響が限定的になることもあります。国際的には「モーメントマグニチュード」が現在の標準として用いられており、過去に使用されていたリヒター・マグニチュードよりも広範囲での大地震に対応できるようになっています。このようにマグニチュードは、地震現象を科学的に捉える上で最も基礎的かつ普遍的な指標といえるのです。
M1未満:極微小地震
地震計でしか検知できない規模。人間にはまったく感じられません。
M1~3:微小地震
観測機器で多く検出されますが、人が揺れを感じることはほとんどありません。
M3~5:小地震
震源が浅ければ揺れを感じることもありますが、多くの場合は被害を伴いません。
M5~7:中地震
人が明確に揺れを感じる規模。震源の条件次第では被害をもたらすこともあります。
M7以上:大地震
建物被害や大規模な災害が起こる可能性のある規模。国内外で重大な被害を出してきた地震が多く含まれます。
M8以上:巨大地震
極めて甚大な被害をもたらす規模。数百年に一度の頻度で発生し、日本では東北地方太平洋沖地震(M9.0)が該当します。
算出方法
気象庁では主に「気象庁マグニチュード(Mj)」と「モーメントマグニチュード(Mw)」の2種類を利用しています。
気象庁マグニチュード(Mj)
地震計が記録した地震波の最大振幅をもとに、震源からの距離や地盤の影響を補正して計算する方法です。数分で結果を出せるため速報性が高く、津波警報や最初の地震情報に使われます。ただし、非常に大きな地震(M8以上など)では規模を正しく表せない(数字が小さめに出る傾向がある)という限界があります。
モーメントマグニチュード(Mw)
断層の大きさやずれた量から求められる「地震モーメント」に基づいて計算されます。地震波全体を解析する必要があるため時間はかかりますが、物理的意味が明確で、巨大地震の規模も正確に評価できるのが特徴です。 地震発生直後は速報性を重視してMjが使われ、その後データが揃い次第、より正確なMwに更新されるのが一般的です。例えば東北地方太平洋沖地震(2011年)では、当初M7.9(Mj)と速報された後、最終的にはM9.0(Mw)に修正されました。このように、状況に応じて異なる算出法を組み合わせることで、より的確な地震規模の把握が可能になっています。

震度とマグニチュードの違いをまとめると
【震度】
・その場所で感じる揺れの強さや被害の大きさを示す指標
・地域ごとに異なる数値が出る(震源からの距離や地盤条件で変化)
・「震度階級(0〜7)」を用いて、体感や建物被害の程度を表す
・震度5弱、震度6強 など
【マグニチュード(M)】
・地震が放出するエネルギーの大きさを数値化した指標
・世界共通で使われる尺度で、地震そのものの規模を示す
・震源の深さや場所に関わらず、同じ地震ならマグニチュードは一つ
・M7.0、M9.0 など
震度とマグニチュードの両方が必要な理由

地震に関する情報を正しく理解するには、「震度」と「マグニチュード」の両方を確認することが欠かせません。理由は以下の通りです。
地震の規模と影響は別物だから
マグニチュードは地震が放出したエネルギーの大きさを数値で表したものですが、それがそのまま人々の体感や被害規模に直結するわけではありません。例えばマグニチュード6.0の地震でも、震源が深い場合には揺れが小さく感じられることがあります。一方、浅い震源で直下型の地震が発生すれば、同じ規模でも激しい揺れとなり大きな被害をもたらすこともあります。
さらに、地盤の硬さや建物の構造によっても揺れの感じ方は大きく異なります。そのため、「どのくらいの規模の地震か(マグニチュード)」と「どの地域でどの程度の揺れがあったのか(震度)」を区別して情報を得ることが重要なのです。
被害予測と防災対応に役立つから
行政や防災機関は、マグニチュードを基準にして地震の全体規模や津波発生の可能性を判断し、広域的な災害予測を行います。しかしそれだけでは現場の状況を把握することはできません。震度情報を組み合わせることで、地域ごとの揺れの強さや建物被害の発生可能性を即座に把握できます。
それにより、救助活動の優先順位付けや避難指示の発令が迅速かつ的確に行えるのです。もしどちらか一方しか分からなければ、救援や支援の遅れにつながりかねず、両方を確認することで適切な防災対応が可能になります。
市民の安全意識を高めるため
マグニチュードの数値だけでは「大きな地震だった」という抽象的な理解にとどまりがちです。しかし震度情報が加わることで、自分の地域や職場が「震度4だったのか、震度6強だったのか」と具体的に把握でき、どの程度の危険があったのかを実感できます。この実感が、避難行動や家具の固定といった防災意識の向上につながります。
つまり、マグニチュードは地震全体の規模を理解するために、震度は自分自身の安全を判断するために必要であり、両者が揃うことで初めて正しい危機対応ができるのです。
過去の大地震の震度とマグニチュード

日本は地震大国と呼ばれるほど大きな地震を数多く経験してきました。その中でも記録的な被害をもたらした主な大地震の震度とマグニチュードを振り返ってみましょう。
兵庫県南部地震(1995年1月17日)
兵庫県南部を震源とするマグニチュード7.3の直下型地震が発生しました。神戸市を中心に最大震度7を観測し、高速道路の倒壊や家屋の全壊・半壊が相次ぎました。死者・行方不明者は6,400人以上にのぼり、戦後最大級の都市型災害となりました。
この地震では、都市直下型地震の恐ろしさや防災体制の不備が浮き彫りになり、その後の耐震基準や防災政策の見直しに大きな影響を与えました。また、ライフラインの途絶や避難所生活の困難さが社会問題化し、被災地支援やボランティア活動の重要性が広く認識される契機にもなりました。
東北地方太平洋沖地震(2011年3月11日)
三陸沖を震源とするマグニチュード9.0の観測史上最大規模の地震で、東北地方を中心に最大震度7、広範囲で震度6強を記録しました。地震そのものによる揺れ被害に加え、大規模な津波が東北沿岸を襲い、甚大な被害をもたらしました。死者・行方不明者は2万人を超え、さらに福島第一原子力発電所の事故が重なり、長期にわたる避難生活を余儀なくされた人々も多数いました。
この震災は日本社会全体に衝撃を与え、防災や減災の意識を一変させただけでなく、国際的にも地震・津波対策やエネルギー政策に大きな議論を呼び起こしました。
熊本地震(2016年4月14日・16日)
熊本県を中心に立て続けに発生した一連の地震は、前震(M6.5)と本震(M7.3)の双方で震度7を観測しました。一つの地震で震度7が連続して記録されたのは国内初で、多くの建物やインフラが大きな被害を受けました。特に熊本城の石垣崩落や益城町での家屋倒壊が象徴的な被害として報じられました。
また、土砂災害やライフラインの寸断も相次ぎ、避難者は一時18万人を超えました。繰り返し強い揺れが襲ったことで心理的な不安も大きく、余震の多さが長期的な影響を及ぼしました。この地震は活断層型地震の典型例であり、今後の備えに向けて全国的に注目されました。
北海道胆振東部地震(2018年9月6日)
北海道胆振地方中東部を震源とするマグニチュード6.7の地震が発生しました。厚真町では最大震度7を記録し、大規模な土砂崩れが住宅地を直撃して多数の死者を出しました。また、この地震では北海道全域で大規模停電(ブラックアウト)が発生し、道内の生活や経済に深刻な影響を与えました。
電力供給の脆弱性が露呈したことから、エネルギーの分散化や災害時の電力確保が社会的課題として浮上しました。マグニチュードは比較的大きくないものの、地質やインフラ状況によって震度や被害が大きくなることを示した事例であり、震度とマグニチュードの両方を理解する重要性を改めて認識させる地震でした。
能登半島地震(2024年1月1日)
能登半島地震は、マグニチュード7.6を記録し、石川県輪島市と志賀町で最大震度7を観測しました。能登地方では2020年以降群発地震が続いており、その活動の延長線上で発生した大規模地震とされています。広範囲にわたり震度6強や6弱が観測され、家屋倒壊や土砂災害が相次ぎ、多数の犠牲者が出ました。
さらに一部地域には津波警報が発令され、沿岸部では浸水や被害が確認されました。地殻隆起による海岸線の変化など地形への影響も顕著で、自然環境や地域社会に長期的な影響を及ぼす災害となりました。
震度とマグニチュードの違いについて
地震に関する情報を正しく理解するには、「震度」と「マグニチュード」の両方を知ることが欠かせません。震度は地域ごとの揺れの強さを示し、被害の程度や防災対応に直結する情報です。一方、マグニチュードは地震全体のエネルギーの大きさを表し、地震の規模や広域的な影響を把握するために重要です。両方を組み合わせてより正しく地震を理解することが災害への備えにつながります。
なお、アイディールブレーンでは、家具や家電の転倒防止に役立つ「ガムロック」や、住宅向けの制震ダンパー「制震テープ」「ミューダム」「ディーエスダンパー」など、地震被害を軽減する製品を幅広く扱っております。自宅で手軽に導入できる製品も多く、家庭の安全性を高めることが可能です。地震対策をお考えの方は、ぜひ一度アイディールブレーンの製品をご覧ください。



