白井市神々廻 新築工事|日動建設(株)様

ミューダム

古くから連綿と受け継がれてきた伝統的な家々には、気候風土に根ざしつつ味わいがあり今もそれが残っている町並みには、故郷といえる原風景があります。それに対し現代の町並みには、その美しさや土着性を見出す事が難しい現状があります。

もちろん建築家の優れた現代的な住宅建築もありますが、日本の建物全体の総量でいうと一握りですし、土着的な味わいという観点からみると方向性が異なると言えます。

この伝統を備えた家を民家と総称するとして、民家は気候風土や生業に適応しながら発展してきた、建物の美しさとは別に快適に暮らす機能性も備えています。

戦後失われてきた民家は、住宅業界において後者の機能性に再評価がなされてきても建物の持つ風情や情緒などは、除外されてきたように思います。

そこで家を建てるにあたり、それら普遍的な民家の持つ情緒と機能性を備えた建物を、現代の技術で以てコストや今の生活様式などに折り合いをつけながら、表現する事を目標としました。

まず意匠についてですが、昔の家に見られる屋根の微妙な曲線は、プレカットでは不可能で今や宮大工でもないと出来ませんし、手仕事が多く時間が掛かればコストも増大しますので、直線的で軒の深い寄棟屋根にしました。

また開口部はモダンなデザインの建物であれば、既製品のサッシでも合うのですが、情緒を演出するには開口部が最も重要な意匠になりますので、サッシの手前に戸袋に収められる町屋格子を付けました。

ただこればかりは、相応の技術を持つ職人に依ってのみ表現可能ですが、なかなかおらず、佐原の町並みで有名な香取市に問い合わせたところ、紹介してもらい佐原の大工さんと建具屋さんが作ってくれました。ご多忙の中苦労をお掛けし誠恐縮です。

さて機能性については、旧来の工法では今の世で求められる性能を持たせられないので、民家の機能性を現代の水準に引き上げる必要があります。見た目が良くても地震に弱く、倒壊しては目も当てられません。

そこで制震部材であるミューダムは、性能向上の大事な要素になりました。これを知ったきっかけは、もう何年も前勤め先への飛び込み営業だったでしょうか。その数年後しばらくして家を建てる前にまた来訪されたので、これも何かの縁かと思い採用しました。

私自身工務店に勤める人間として、自らの家で施工実績を謳える事は、説得力の向上に繋がるだろうという意識も働いています。

このミューダムは金属流動により揺れを軽減する為、気温の変動によって性能に影響を受けませんし耐久性も高いので、同じく長く住める耐久性を考慮した民家の思想にもそぐいます。さらに施工性が良いのも特徴で、無用に手間がかかると大工さんのご機嫌に関わりますし、正確に取り付ける事で性能を確保するので、施工性も大きな利点です。

その他高めの断熱性や気密性、さらにはそとん壁という耐久性と味わいに富んだ外壁など機能と味わいの両立した素材を用いて性能向上を図っています。

流行に左右されず、長い時代多くの人々が価値観を共有してきた民家の美観もまた、懐古的としてのみ捉えずに、表現の一つとして継承、発展させていきたいものです。

文・海老原 良 /日動建設(株)設計部



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