日本で地震が起こりやすい場所って?地震が多い県についても

特集

日本は世界でも有数の地震大国として知られていますが、一体なぜこの国では地震が頻繁に起こるのでしょうか。

この記事では「地震が起こりやすい場所」と「地震が多い県」をテーマに、日本で地震が起こりやすい理由や、特に地震が多い県・地域について詳しく解説します。

また地震による被害を最小限に抑えるための地震対策についても触れます。地震に対する備えは、私たちの生活にとって非常に重要です。

この記事を通じて、日本における地震のリスクをより深く理解し、適切な地震対策を講じるための知識を得ていただければ幸いです。

日本で地震が起こりやすいのはなぜ?

日本で地震が起こりやすい主な理由は、日本列島が複数のプレートの境界に位置していることにあります。

太平洋プレート、フィリピン海プレート、北アメリカプレート、ユーラシアプレートといった複数の大きなプレートが互いに接触し、ぶつかり合う、または擦れ違うことで、地殻変動を引き起こしています。

これらのプレートの動きは、地表近くで断層が動くことによる地震や、プレートが沈み込むことによって生じる地震など、様々なかたちで地震活動を促進します。また、日本列島の火山帯も関係しており、地下深部でのマグマ活動も地震を誘発する要因の一つとなっています。

このようにプレートの動きや火山活動などの要素があり、日本では小規模なものから大規模なものまで、頻繁に地震が発生しているのです。

地震が起こりやすい場所(地域)の特徴

日本国内でも地震が起こりやすい場所とそうでない場所があります。

地震が起こりやすい場所・地域の特徴として「プレート境界付近」「活断層付近」という点が挙げられます。

プレート境界付近

地球の表面は複数の大きな岩石の塊、すなわちプレートによって覆われており、これらのプレートは絶えず動いています。日本列島付近では、海側のプレートが陸側のプレートの下に沈み込む現象が発生しており、これは沈み込み帯と呼ばれています。

このようなプレート境界付近では、プレート同士が接触し、巨大なエネルギーが蓄積されるため、地震が起こりやすくなるのです。

特に、プレートが沈み込む過程では、膨大なストレスがプレート境界に蓄積されます。このストレスがあるポイントで限界に達すると、プレートが急激に動き、その結果、地震が発生します。

プレート境界付近では、このような理由から、特に規模の大きな地震が発生する可能性が高いのです。

【過去の主なプレート境界型地震】

・関東大震災(1923年)

1923年9月1日に発生した関東大震災は、日本の近代以降に首都圏を襲った最も規模の大きい地震災害です。マグニチュードは7.9と推定されているこの地震は、主に関東地方を襲い、特に東京と横浜に甚大な被害をもたらしました。死者・行方不明者は約10万5千人とされ、多くの建物が倒壊し、大火災も発生しました。

火災による被害が特に深刻で、被害地域では火炎旋風が発生したとも報告されています。この災害は、都市計画、建築基準、防災意識の重要性を日本に強く印象づけることになりました。

・東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)(2011年)

2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)は、マグニチュード9.0という日本の観測史上最も大きい規模でした。この地震によって引き起こされた巨大津波は、東北地方の太平洋岸沿いに壊滅的な被害をもたらしました。

死者・行方不明者は約1万8千人に上り、福島第一原子力発電所での重大な事故にもつながりました。この災害は、日本だけでなく世界に対しても、自然災害の恐ろしさと原子力安全への認識を新たにしました。

活断層付近

断層は、地球の地殻内に存在する岩石の割れ目であり、この割れ目がある部分で岩石が互いにずれる現象を指します。地殻を構成する岩盤が外力によって圧力を受けると、その力が岩石の強度を超えた時、岩石は割れてずれ動きます。

このずれが震動として地表に伝わり、地震として感じるわけです。断層は、地震を引き起こす根本的な原因の一つとされています。

「活断層」は、比較的最近の地質学的過去に活動した記録があり、現在も活動を続けている可能性がある断層を指します。活断層は一定の時間をおいて繰り返し動き、その動きによって地震が発生するため、活断層が近い地域では地震のリスクが高くなります。

活断層の動きは、両側の岩盤に蓄積されたひずみが限界に達したときに解放され、地震として現れます。活断層が近い地域では、断層の動きによって地震が発生しやすいため、地震が起こりやすい場所と言えるのです。

日本列島は約2000もの活断層が存在すると言われており、まだ未発見の活断層もあるとされています。

【過去の主な活断層型地震】

・阪神・淡路大震災(1995年)

1995年1月17日に発生したこの地震は、兵庫県南部を中心に甚大な被害をもたらしました。マグニチュード7.3と記録され、特に神戸市などの都市部で大きな被害が出ました。死者・行方不明者は6,000人以上に上り、建物の倒壊や火災による被害が広範囲に及びました。この地震は、防災対策や都市計画の見直しを促す契機となりました。

・新潟県中越地震(2004年)

2004年10月23日に新潟県中越地方で発生した地震は、マグニチュード6.8で、深刻な被害を引き起こしました。地震によって多くの建物が損壊し、土砂災害も多発しました。重軽傷者は4,500人以上に上り、この地震では山間部での大規模な土砂災害の危険性を改めて浮き彫りにしました。

・熊本地震(2016年)

2016年4月に発生した一連の地震で、最大のものは4月16日に発生したマグニチュード7.3の地震でした。最初の地震は4月14日にマグニチュード6.5で発生し、これらの地震によって熊本県や大分県で大きな被害が出ました。死者は合計で50人を超え、多くの建物が倒壊しました。また、熊本城などの文化財も大きな損傷を受けています。

・大阪府北部地震(2018年)

2018年6月18日に大阪府北部で発生した地震は、マグニチュード6.1。建物の損壊やライフラインの途絶などの被害が発生しました。大都市部で発生したこの地震は、都市部における地震対策の重要性を改めて示しました。

参考:地震発生のしくみ- 気象庁

参考:我が国で発生する地震- 内閣府防災情報

日本で地震が多い県

それでは実際に日本で地震が多い県・少ない県はどこなのでしょうか。

気象庁の「震度データベース検索」の情報を元にしている震度別地震回数を参考に過去10年(2004年5月〜2024年1月)の地震回数を紹介します。

地震が多い県

【震度1の地震回数】

順位都道府県地震回数
1福島県5527
2宮城県5140
3茨城県4818
4岩手県4716
5熊本県3271
6千葉県2796
7鹿児島県2756
8北海道2620
8栃木県2620
10東京都2507
11長野県2114
12青森県2028
13新潟県1961
14群馬県1937
15石川県1875
16埼玉県1742
17静岡県1533
18秋田県1289
19山形県1247
20岐阜県1233
21神奈川県1170
22和歌山県1110
23沖縄県1061
24大分県967
25宮崎県900
26福岡県783
27山梨県665
28長崎県587
29鳥取県584
30兵庫県425
21愛知県421
32奈良県382
33高知県380
34広島県378
35京都府370
36大阪府366
37島根県360
38愛媛県355
38岡山県355
40福井県353
41富山県328
42徳島県321
43滋賀県308
44山口県304
45佐賀県303
46三重県255
47香川県220

【震度5以上の地震回数】

順位都道府県地震回数
1福島県47
2茨城県46
3新潟県37
4宮城県31
5熊本県30
6岩手県26
6石川県26
8北海道24
9青森県17
9千葉県17
9長野県17
12栃木県14
13東京都12
13大分県12
15埼玉県11
16秋田県8
16静岡県8
18山形県7
18群馬県7
18神奈川県7
18鹿児島県7
22和歌山県5
22宮崎県5
24山梨県4
24愛媛県4
26奈良県3
26広島県3
26福岡県3
26佐賀県3
26長崎県3
26沖縄県3
32富山県2
32福井県2
32三重県2
32大阪府2
32兵庫県2
32島根県2
32徳島県2
32高知県2
40岐阜県1
40滋賀県1
40京都府1
40鳥取県1
40岡山県1
40山口県1
40香川県1
47愛知県0

この表から読み取れるのは、日本各地で地震の発生頻度と強度には大きな地域差があるということです。特に震度1の地震回数を見ると、福島県、宮城県、茨城県、岩手県、熊本県、千葉県が上位に位置しており、これらの地域では地震が非常に多く発生していることが分かります。

これは、これらの県がプレート境界に近く、または活断層の近くに位置しているため、地震が発生しやすい地質学的条件を持っていることを示しています。

一方で、震度5以上の地震回数を見ると、福島県、茨城県、新潟県、宮城県、熊本県が上位に位置しており、これらの地域では強い地震も頻繁に発生しています。これは、震度1の地震回数が多い地域が、必ずしも強い地震が発生するわけではないものの、強い地震のリスクも高いことを示唆しています。

地震対策の重要性

地震発生時の被害を最小限に抑え、人々の安全と財産を守るために地震対策は必要不可欠です。特に日本のように地震が頻繁に発生する国では、予期せぬ瞬間に大きな揺れが訪れる可能性が常にあります。

地震が起こりやすい場所、地震が多い県に住んでいる方はもちろん、そうでない方も対策をすることは重要です。

地震に対する備えは、個人、地域社会、そして国家レベルに分けられますが、個人レベルでの地震対策は、自身と家族の安全を確保し、被害の軽減につながります。

地震は予告なく発生する自然災害であり、その影響は個人の生命、健康、そして生活に直接的な影響を及ぼします。個々人が地震に対する基本的な知識を持ち、適切な準備と対応策を講じることで、災害時のパニックを避け、より落ち着いて行動することが可能になります。

個人レベルの対策は、緊急時に自分自身や家族を守るための最初の防御線であり、地震が発生した際に迅速かつ効果的に対応するための基本となるのです。

取り組むべき地震対策

最後に個人レベルで取り組むべき地震対策について解説します。東京消防庁が発信している「地震に対する10の備え- 東京消防庁」を参考に紹介します。

家具等の転倒・落下・移動防止対策

家具の転倒、落下、移動を防止するための対策は、地震発生時の安全を確保する上で欠かせません。まず、家具類は転倒防止金具やL型金具を使用し、壁や床にしっかりと固定することが基本となります。

これにより、地震の揺れによる家具の倒れや移動を効果的に防ぎます。また、家具の配置にも注意を払い、重いものは低い位置に置き、重心を下げることで自然と倒れにくくなります。

さらに、ガラス製の扉や棚には飛散防止フィルムを貼ることで、万が一ガラスが割れても飛び散ることを防ぎ、安全性を高めます。扉付きの家具には、掛金やストッパーを取り付けて扉が勝手に開かないようにし、中に収納されている物の転落や飛び出しを防止します。

特に、食器棚に収められたガラス製品やビン類は、転倒防止の枠を設けることで、揺れによる落下を防ぎます。

身の安全を守る対策

身の安全を守るための地震対策としてまず、懐中電灯やスリッパをベッドのそばなど、すぐに手に取れる場所に常に置いておくことが大切です。夜間や暗がりで地震が発生した際の移動を安全に行えます。

地震が発生した際に取るべき行動や、自宅周辺の安全な避難場所について家族全員で共有し、定期的に話し合うことも大切です。これにより、万が一の時にもパニックにならずに済みます。また、自宅や職場の非常口や避難経路を事前に把握しておくことも、迅速な避難には不可欠です。

さらに、地震発生時にすぐに持ち出せるよう非常用の持ち出し袋を準備しておくことが推奨されます。また非常用の備蓄をしておくことも大切です。

これらの対策をしておくことで地震の際には自身と家族の身の安全を効果的に守ることが可能になり、災害による影響を最小限に留めることができます。事前の準備と知識があれば、地震に対する対応に自信を持てるようになるでしょう。

家屋の対策

家屋の地震対策も重要な要素の一つです。対策を講じるにあたり、専門家による耐震診断を受けるのもおすすめです。家屋の現在の耐震性能を把握し、もし対策が必要と判断された場合には、適切な措置を講じる必要があります。

耐震診断では、建物の構造や材質、建設当時の基準などに基づいて評価が行われ、その結果に応じて、建物の安全性を高めるための対策が提案されます。しかし、具体的な対策には様々な選択肢があり、それぞれにメリットやデメリット、さらには組み合わせによる効果の違いが存在します。

この点に関して、免震・制震・耐震の違いとそれぞれのメリット・デメリットを解説している記事「免震・制震・耐震の違いって?メリット・デメリットや組み合わせについても」をぜひご覧ください。

適切な地震対策を行うことは、家屋とそこに住む人々の安全を守るために不可欠です。そのためには、最新の情報と技術を理解し、自身の家屋に最適な対策を選択することが重要となります。

日本は地震が起こりやすい場所

ここまで「地震が起こりやすい場所」と「地震が多い県」をテーマに解説してきました。

日本は世界でも有数の地震大国であり、その地理的・地質学的な位置が地震が頻繁に発生する主な理由です。日本列島は、太平洋プレート、フィリピン海プレート、北アメリカプレート、ユーラシアプレートなど複数のプレートの境界に位置しており、それらのプレートの動きが強い地震を引き起こす原因となっています。

特に、プレートの境界や活断層付近では、地震が頻繁に発生しやすくなります。

過去の記録から地震が多い県・少ない県をみてきましたが、あくまでこれらは統計に過ぎず、地震の予測は依然として非常に難しいため、地震が多い県に住んでいる方はもちろん、統計的には比較的少ない県に住んでいる方も、油断してはなりません。日本ではいつどこで地震が起きてもおかしくはないのです。

そのため、日本では地震への備えが極めて重要であり、個人レベルでの対策はもちろん、地震対策技術の発展や建築基準の強化など、社会全体での取り組みも求められています。地震のリスクを理解し、適切な準備と対策を行うことで、その被害を最小限に抑えることが可能です。

アイディールブレーンでは、独自の技術開発により、家具や家電が地震時に転倒するのを防ぐ「ガムロック」、さらには住宅用制震ダンパーとして「制震テープ」「ミューダム」「ディーエスダンパー」など、地震による被害を軽減するための様々な製品を提供しています。

これらの製品は、地震の際に生じる損害を最小化することを目的としており、安全かつ安心な住環境の実現をサポートします。アイディールブレーンの製品ラインナップやサービスの詳細などをウェブサイトやカタログでご覧いただき、ぜひ地震対策にお役立てください。

アイディールブレーンの製品の詳細はこちら

関連記事

特集記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

TOP

製品資料

お問い合わせ

CLOSE

製品資料

お問い合わせ