-
2001年8月
清水建設株式会社の事業化公募制度に基づきアイディールブレーン発足 -
9月
「制震テープ®」発表
-
2002年6月
日本建築学会「未来を拓く研究と技術開発に関する懸賞論文」1等受賞
-
2002~
2004年「リユース部材による組立解体自在の制震構造の開発 」を文部科学省の独創的革新技術開発研究(平成14年度)採択
-
2005年1月
「アルミニウム薄板を挟んだL型金物によるボルト組立・制震構造の開発」にて 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の 平成16年度研究開発型ベンチャー技術開発助成事業 採択
-
5月
鋼管杭無溶接継手工法「ボルフィックス」開発
-
7月
家具転倒防止「ガムロック™」開発
-
11月
墓石転倒防止「不倒(ふとう)」開発
-
2006年11月
免震装置「ミューソレーター™」発売 フリーアクセスフロアを兼ねた世界一薄い床免震装置
-
「ガムロック™」をリニューアル 家具・家電転倒防止「ガムロック™」として用途別に8種ラインナップ
-
2007年7月
「ボルフィックス」の建築技術性能証明を(財)日本建築総合試験所にて取得
-
11月
「制震テープ®」が(財)日本建築防災協会の住宅等防災技術評価を取得
-
2008年6月
免震装置「ミューソレーター™」が国土交通大臣の指定建築材料認定を取得
-
2011年2月
世界遺産「興福寺 国宝仏像17体」に「ミューソレーター™」を施工
-
2014年12月
「ガラス制震壁の実用化開発」にて 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の平成25年度イノベーション実用化ベンチャー支援事業 採択
-
2015年4月
木造住宅用制震装置「ミューダム® R」を発売
-
木造住宅用制震装置「ミューダム® RH」 「ミューダム® RL」の国土交通大臣認定を取得
-
7月
木造住宅用制震装置「ミューダム® RH」 「ミューダム® RL」を開発・商品化
-
2016年5月
木造住宅用制震装置「ミューダム® ZH」の国土交通大臣認定を取得
-
木造住宅用制震装置「ミューダム® ZH」を商品化
-
9月
木造住宅用制震装置「ミューダム®」が2016年度グッドデザイン賞を受賞
-
10月
木造住宅用制震装置「ミューダム® RB」 「ミューダム® ZL」 「ミューダム® ZB」の国土交通大臣認定を取得
-
免震装置「ミューソレーター™」が2016年度グッドデザイン金賞(経済産業大臣賞)を受賞
-
2018年4月
木造住宅用制震装置「ミューダム®」が第30回 中小企業優秀新技術「優秀賞」を受賞
-
8月
製品名「制震テープ®」が経済産業省特許庁より商標登録認可
-
ボルト接合による鋼管杭機械式継手工法「ボルフィット™工法」がハウスプラス確認検査株式会社による構造評価を取得
-
2021年2月
木造住宅用制震装置「ディーエスダンパー™」の国土交通大臣認定を取得
-
4月
木造住宅用制震装置「ディーエスダンパー™」を発売
きっかけはネスカフェ?
環境と一体化する高性能な家づくり
建築家伊礼 智
×
制震テープ開発者佐藤 孝典
対談(収録日:2023年8月23日)
建築家伊礼 智
×
制震テープ開発者佐藤 孝典
現在建築中の「下町の小さな家」に制震テープを採用いただいたご縁で、建築のこと、製品のこと等いろいろお話をうかがいました。
■対談風景(伊礼智設計室)
─ 佐藤
本日は、お忙しいところ貴重なお時間を割いていただきありがとうございます。
─ 伊礼
こちらこそよろしくお願いいたします。
─ 佐藤
伊礼さんと言えば、軒高を抑えたプロポーションなど独自のスタイルを持った建築家として知られていますが、そもそもどんなきっかけで「建築家」を志したんですか?
─ 伊礼
きっかけは ネスカフェの “ 違いがわかる男 ” ですね(笑)実は高校時代まではひたすらスポーツに打ち込んでいたんですけど、突然体調を崩しちゃって医者から「運動を控えろ」と…。もともと絵を描くことも好きだったので、将来は美術の先生になろうとか考えていましたね。そのころ見かけたテレビコマーシャルが「違いがわかる男 “ 建築家 ” 清家清 」ネスカフェのあの有名なCMです。その時に初めて「建築家」という職業を知って「面白そうだな」と思っていたところに、地元の新聞記事「琉球大学・建設工学科新設」「清家清・教授就任」…。なんかそれでもう決まっちゃいましたね。
─ 佐藤
それは運命に導かれていますね(笑)
─ 伊礼
進学後に教えを受けたのは清家清さんご本人ではなくお弟子さんで、藝大出身の先生だったんですが、この先生から「藝大には 吉村順三 さんという先生がいて…吉村先生はとても誠実な建築をやる方で…」とかいろいろ藝大話を聞いているうちに自分も藝大に行きたくなってきて… 宮脇檀 さんとか当時活躍していた方はみんな藝大だったし…それで僕も藝大を目指しました。夏休みに上京して藝大付近をウロウロしながら院生をつかまえて試験問題の傾向とか教えてもらって(笑)
─ 佐藤
それは後につながる大正解でしたね。しかしすごい行動力!
─ 伊礼
当時は 磯崎新 さんが全盛期で 安藤忠雄 さんが出てきた頃。吉村順三先生は少し地味で、巷では「建築家と言うのはどうか?」みたいな声もありましたけど、僕は先生の考え方とかスタイルが好きでした。吉村先生はいまだに愛されているし、評価も揺るがない。
─ 佐藤
スポーツに絵画とおっしゃいましたけど、建物もお好きだったんですか?
─ 伊礼
好きでしたね。中学の教科書に載っていた 桂離宮 を見て「なんかすごい世界だな」と思ったことを今でも覚えています。
─ 佐藤
ご出身の沖縄の建物も独特なスタイルですね。
─ 伊礼
日射しを遮る屋根があって、台風が来るから重たくして、家の真ん中に先祖を祀った仏壇があってその周りで暮らしている。屋根と柱しかないような感じですね。やっぱりそこが原風景なのか、低くて伸びやかなデザインがしっくりきます。
─ 佐藤
一方で、伊礼さんの家づくりは「建築家の家」というイメージを超えてハウスメーカーレベルの性能に関する技術も積極的に取り入れますよね。
─ 伊礼
住む人のことを考えるとそこはしっかり押さえたいですね。建具を開放したら環境と一体になって欲しい、けれど閉じれば気密性能・断熱性能がきちんと機能する。例えば極寒の真冬でも雪が降ったら窓を開けて楽しんで、閉めればパッと短時間で元に戻る…こういうのをやりたいんですよね。
─ 佐藤
それは素晴らしい!
─ 伊礼
藝大時代に 奥村昭雄 さんからたくさん刺激を受けて色々と思考が変わりました。建築家なのに発明家っぽく面白いことばかりやる人で、日本初のダブルスキン「NCRビル」を担当した時は、全部自分で熱計算していましたね。かと思えば家具も作り始める。このミズナラのテーブルも佐藤さんが座っているその椅子も奥村先生の作品。原木買い付け ~ 乾燥 ~ デザイン ~ 治具製作… 全部自分で追及しちゃうんです。木工も科学的に考えられていて全然狂わないんですよ。
実は、先ほど佐藤さんの発明家人生や製品開発のお話を聞いていたら、奥村先生と同じとことんつきつめるタイプの人だなと思いました。
■制震テープ(30mm巾・100mm巾)
─ 佐藤
奥村先生のお話は私もワクワクしました。ところで、制震テープを知っていただいたのはいつ頃ですか?
─ 伊礼
それが昨年末の破壊実験を見るまで全く知りませんでした。制震ダンパーは何度か使ったことがあったので、初めて見たときは「ん?両面テープ??」と思いましたが、実験を見てすぐに「これは凄い!」と思いました。
─ 佐藤
実は、制震テープが業界初の住宅向け制震ダンパーなんですよ。清水建設時代に研究していたビル用制震を住宅向けにアレンジしました。二十年以上経った今でも、これを上回る制震ダンパーは出てこないですね…自画自賛ですけど(笑)実験するとホントにそうなんです。
■建築中の下町の小さな家
─ 伊礼
確かに現場(下町の小さな家)をときどき見ていますけど、制震テープが入ったら施工前と全然違いますね…弛みがないというか、ほんとガッチリした感じ。
新建ハウジングの企画で、僕のファンを公言してくれている ヨダ工務店 さんを訪問した時に、制震テープについて「アイディールさんはあまり宣伝しないけど、実は気密性能もすごい」と熱弁されていました。
─ 佐藤
現場の施工に依存する領域なのでメーカーとして声高にアピールしていませんがおっしゃる通りです。「下町の小さな家」では依田さんが施工指導をされたそうですね。
─ 伊礼
依田さんにはホントに感謝です。すごく丁寧に仕事してくれて…完成後の気密測定が楽しみです。
※ 1回目の気密測定 は「測定不能=0.1以下」を記録(2023/9/4実施)
─ 佐藤
依田さんには十年以上も制震テープを使い続けてもらっています。現場施工の経験値はメーカー以上でしょうし、きっとイレギュラーな場面での対応ノウハウも沢山お持ちです。伊礼さんもおっしゃった通り、製品の見た目のせいで理解されにくい面はありますが、ご理解いただいた方は、それはもう熱烈なファンになってくれます。他社の制震ダンパーを使っている工務店の社長が、自分の家を建てるときには制震テープを使うということが何度もあります。
─ 伊礼
展示会で破壊実験を見せちゃえばいいじゃないですか。
─ 佐藤
さすがにあの規模の実験装置は運び出せませんが、今年の ジャパンホームショー では製品のデモンストレーションをお見せするような仕掛けを考えています。それと、年内中に川口の実験装置を国の試験機関と同じものに入れ替えて、来年1月に「お披露目公開実験」を予定しています。数社の出版社から取材のオファーをもらっているので、ぜひ i-works project 向けの実験も計画してプロジェクトの取り組みを紹介してもらいましょう。
─ 伊礼
ぜひお願いします。終わったらまたみんなで 魚魚亭 に行きましょう(笑)
─ 佐藤
(笑)今後ともよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
伊礼 智(いれい さとし)
1959年 沖縄県嘉手納町生まれ。1982年 琉球大学理工学部建設工学科卒業後、東京芸術大学大学院美術研究科に進学し建築(奥村昭雄研究室)を専攻し修了。
1996年 丸谷博男+エーアンドエーを経て、 伊礼智設計室開設。
2006年「9坪の家」2007年「町角の家」でエコビルド賞受賞。
2013年 i-works project でグッドデザイン賞。
2016~2022年 東京藝術大学美術学部建築科非常勤講師。著書多数。
■関連リンク
i-works project
製品紹介
-
強靭鋼棒が地震エネルギーを吸収するディーエスダンパー™
強靭鋼棒が建物の揺れを吸収する制震ダンパー。両側の曲面サポートが強靭鋼棒への応力集中を回避させ、理想的にエネルギーを分散吸収。建物へのダメージが低減され、本来の耐震性能を維持します。 -
免震装置ミューソレーター™
ミューソレーター™はシンプルな免震装置です。
装置単体や特定のエリアなど、必要な部分だけを免震にすることができるため設置場所、コスト、工期といったさまざまな制約条件をクリアします。 -
地震の揺れを80%低減ミューダム®
金属流動とは、異なる金属同士が摩擦を受けながら、摩耗することなく一方が軟化し柔らかく動き始める現象のことです。
複数の大学及び研究機関等との基礎研究の結果、繰り返し摩擦を受けても一定の摩擦抵抗力を保ち続ける「アルミと鋼材」の組み合わせを発見しました。 -
家をまるごとダンパーにする制震テープ®
兵庫県南部地震を何度も与えた実物大振動実験に於いて、制震テープ®を使用すれば、住宅の揺れ(層間変位)を最大80%低減できることを確認しています。 -
家具・家電の転倒&滑り防止ガムロック™
一般にきわめてもろいと考えられている壁紙や塗装壁での使用を前提に開発されました。公的機関の振動テストにおいてその性能が確認されています。 -
工期を短縮する継手BOLFit!™
BOLFit!™工法は、回転貫入工法やプレボーリング工法の鋼管杭に対応した、現場溶接不要の機械式継手です。従来の溶接継手にない様々なメリットを提供します。 -
水の力で揺れを抑える高層ビル用制振ダンパーSSD
スーパースロッシングダンパーは、水の動きを建物の振動に共振させ、風による建物の揺れを低減させる振動制御システムです。建物の「風揺れ」を水槽内部の「水揺れ」が打ち消し、揺れを1/2~1/3に抑えます。