制震ダンパーとは何?種類・効果を紹介

耐震・制震・免震

制震ダンパーとは、繰り返しの地震に強い家づくりのためのアイテムです。今回は制震ダンパーの種類と仕組みを解説し、おすすめの制震ダンパーについて紹介していきます。

制震ダンパーとは何?

地震対策には「耐震」「制震」「免震」があり、「制震」とは地震による建物の揺れを低減させる工法で、超高層ビルや橋にも採用されている最新の地震対策技術です。制震ダンパーとは、建物の変形を抑えるために地震エネルギーを吸収(変換)する装置のことです。

一般的に建物は、柱や梁など構造自体の強度を高めて地震に耐える「耐震構造」にしますが、地震を受けるたびに耐震性能はどんどん低下し、やがて深刻なダメージとなってしまいます。耐震構造に「制震性能をプラス」することで、繰り返し地震を受けても、長期に渡って耐震性能を維持し続けることができるようになります。

制震ダンパーの種類と仕組み

地震の揺れや衝撃を吸収する制震ダンパーにはさまざまな素材が使われています。ここでは、以下3つの素材を使った制震ダンパーについて紹介していきます。

  • ゴムダンパー
  • オイルダンパー
  • 金属ダンパー

ゴムダンパー

ゴムタンパーとは、ゴムがもつ粘弾性体の性質を使ってエネルギーを吸収するダンパーです。繰り返しの地震に強いことがメリットです。

しかし、夏冬の気温差によって粘度(=性能)に変化が生じたり、他の素材に比べて劣化しやすいことがデメリットと言えます。

オイルダンパー

オイルダンパーとは、オイルの入ったシリンダ内でピストンに設けた小さな穴(オリフィス)をオイルが通過するときの抵抗力を利用して緩衝材の役割を果たすダンパーです。ピストンは小さな揺れでも動作するので、地震の大小に関わらずカバーできることがメリットです。

しかし、ゴムタンパーと同様に夏冬の気温差によって粘度(=性能)が変わり抵抗力(=性能)に変化が生じたり、長期に亘ってオイルが漏れない仕組みにするためのコストがかかるところがデメリットと言えます。

金属ダンパー

金属ダンパーとは金属の摩擦抵抗力や塑性変形力を利用したダンパーで、当社の開発製品に採用しています。

金属部品のみで構成されているため、夏冬の気温差や、地震の加速度・速度といった不特定な環境条件に依存せず常に安定した性能を発揮することがメリットです。

一方で、規模の小さな揺れにはあまり効果がないことがデメリットと言えますが、大きな地震への備えとして信頼性の高いダンパーです。

当社の制震ダンパー

ここからは当社の制震ダンパー(3製品)をご紹介します。

国土交通省の認定を取得している

  • ミューダム
  • ディーエスダンパー

家そのものを制震ダンパーにしてしまう

  • 制震テープ

いずれも、常に安定した性能を発揮するワンランク上の制震装置です。

ミューダム

ミューダムは、摩擦抵抗力を利用した金属製の摩擦ダンパーです。地震が発生するとスライド部分でアルミと鋼材の「金属流動」が起こり、揺れは熱エネルギーに変換され低減されます。通常の摩擦ダンパーは、表層の摩耗による「摩擦抵抗力の低下」がデメリットとされていますが、ミューダムは独自開発した「金属流動技術」によって、摩擦を受け続けても摩擦抵抗力はほとんど低下しません。どんな季節にどんな性質の地震が発生するかは予測できませんが、環境条件に依存しない「素材の安定性」という最大のメリットによって常に安定した制震性能を発揮します。

ミューダムには、以下の特長があります。

  • 国土交通大臣認定壁倍率取得済み
  • 厚さはわずか30mm、断熱材の配置空間を十分に確保した薄型制震ダンパー
  • 60年以上の耐久性

ディーエスダンパー

ディーエスダンパーは、塑性変形力を利用した金属製の制震ダンパーです。一般的に金属ダンパーは、変形の繰り返しによって生じる「金属疲労」がデメリットとされていますが、独自開発した技術による金属疲労の原因となる「応力集中」を回避する機構を備えています。どんな季節にどんな性質の地震が発生するかは予測できませんが、環境条件に依存しない「素材の安定性」という最大のメリットによって常に安定した制震性能を発揮します。

ディーエスダンパーには、以下3つの特長があります。

  • 国土交通大臣認定壁倍率取得済み
  • 厚さはわずか30mm、断熱材の設置空間を十分に確保した薄型制震ダンパー
  • 施工はわずか10分、作業者1名でも取付可能

制震テープ

制震テープは、高層ビルの制震装置に用いられる粘弾性体を、木造住宅向けにテープ状に加工したものです。建物の柱・梁と面材の間に挟みこむことで、家まるごと制震ダンパーとして機能させる究極の制震工法です。

住宅一棟に対して500m以上もの制震テープを分散配置するため、施工の手間がデメリットですが、建物の変形が伝わってから機能する一般的な制震ダンパーと違い、建物を「変形させようとする力」そのものをダイレクトに吸収するため、建物へのダメージを極限まで低減します。外周壁に配置された制震テープが、阪神淡路大震災や熊本地震で最も多かった「ねじれ倒壊」を防止します。

さらに、今注目されている高気密・高断熱な家づくりに向けて、制震テープは気密テープとしても機能します。

  • 揺れ幅を最大80%低減
  • 110年後も十分な制震性能を維持

制震ダンパーに関するご相談は

ここまで制震ダンパーとは何か、種類や仕組みを紹介しました。

地震エネルギーを吸収(変換)し、建物が本来持っている耐震性能を長期に渡って維持可能にするのが制震ダンパーの役割です。制震ダンパーにはさまざまな種類があるので、お客様の環境にあわせた最適なダンパーを採用する必要があります。制震ダンパーについて詳細を知りたいという方は、独自技術で制震ダンパーを開発している「アイディールブレーン」までご相談ください。制震ダンパーのプロがお客様に最適なプランをご提案いたします。

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